腕時計の最前線で活躍するジャーナリスト3人が、2021年の新作からイチオシモデルをリコメンド! 今回は、さらなる進化を遂げた名作時計をご紹介します。
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名作腕時計がさらに魅力的に進化しました
腕時計の名作や定番とされるモデルは、登場からずっと変わらないかと言えばさにあらず。時代に合わせた微妙なブラッシュアップやモデルチェンジを重ね続けており、だからこそ、長きに渡って愛されるモデルとなるわけです。
そんな名作の中でも2021年にまさかの進化を遂げたモデルを、3名の時計ライターにオススメを選んでいただきました。
タグ・ホイヤー「アクアレーサー プロフェッショナル 300」
◆福田 豊が選んだのは……

アクアレーサーに登場した新世代モデル。進化のポイントは、まず特徴的な12角形の逆回転防止ベゼルで、周囲に溝を設けたことで回しやすさを実現。刻みを120から60に減らし、より合理的かつ丈夫にしたのも特徴です。
また、これまでのバーインデックスからバーとドット(実は8角形)の組み合わせに変更。針も時分針の太さを変えるなどデザイン変更し、さらにスーパールミノバを青と緑の2色に。それらにより昼夜のどちらでも視認性が向上しています。
そしてケースとブレスレットを薄く、軽量にしたのが大きな特徴。そのためよりスタイリッシュでビジネスシーンにもピッタリ。この43mm径のほかに36mm径もあり。36mm径をボーイズサイズで付けこなすのもオススメです。
オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」
◆ 鈴木裕之が選んだのは……

ブランドヘリテージを巧みに再構成することで、まったくのニューデザインでありながら、レジェンダリーモデルの風格をもつに至ったCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ。
ローンチから3シーズン目となった今年は、さらにストリートシーンに寄せた新作が登場。特にクロノグラフは、8角形のミドルケースをブラックセラミックスとすることで、軽快な印象を加味しました。スモークグレーのグラデーションペイントが施されたダイヤルは、下地のサテン目を、サンバースト調から縦ストライプに変えることで、少しだけ力強さが増した印象です。
ブラックラバー加工が施されたキャンバスストラップは、ストリート向けのハイファッションとの相性も抜群です。
フランク ミュラー「グランド セントラル トノウ カーベックス」
◆ 篠田哲生が選んだのは……

天才時計師ブレゲがトゥールビヨン機構を発明してから今年で220周年。精密で美しい古典機構は、現代までほとんど進化せずに継承されています。
しかし、このモデルはちょっと違います。そもそも複層的にパーツを積み上げるトゥールビヨン機構は、針や歯車の邪魔にならないようにムーブメントの端に寄せるのがセオリー。しかしこのモデルはなんとド真ん中にトゥールビヨン機構を収めているのです。
この機構を実現させるためにトノウカーベックスケースを再設計し、ベゼルも薄くしてダイヤル部分を大型化するなどして、美しさを崩すことなく、この機構を実現させました。「フランク ミュラー」といえば複雑機構の名匠。その名にふさわしい新作です。※掲載商品はすべて税込み価格です