株式投資デビューの直後は、相場の変動に大きく動揺したり、SNS(交流サイト)上の他人のコメントに惑わされたりと、悩みや迷いを抱える場面が次々と訪れる。コロナ禍の下、先行きの見通せない相場に投資初心者はどう向き合うべきか。数々の修羅場を潜り抜け、株式投資で資産1億円超えを果たしたベテラン投資家から、ビギナーが直面しがちな7つの悩みにアドバイスをもらった。
目次
悩み1. 株価が気になって仕事に集中できません
→投資はお金をためる手段、本業に集中を
「投資を本業や副業として捉えているのなら、暴落時はプロフェッショナルとして向き合う必要があります。しかし大抵の初心者は本業でも副業でもないはず。暴落時は無理に『お金を稼ごう』などと思わず、投資はお金をためるための一つの手段にすぎないのだ」と捉えること。そして本業に集中することをお勧めします」(回答者/とりでみなみさん=ハンドルネーム)
悩み2. 株価が下がると動揺してしまいます
→投資で焦る2つの原因を知り、対応を
株価下落時に心が動揺する原因は、(1)投資金額が多過ぎる(2)投資している会社や金融商品の理解不足──のどちらかだと思います。自分がどちらに当てはまるのか、一度確認してみるといいでしょう。また、相場の急落などの緊急時に投資スタイルを変えると大抵失敗するので要注意。長期投資をやっていた人が突然デイトレードをするとか、やったことのない信用取引をするなどといったことは控えた方がいいと思います。(回答者/竹内弘樹さん)
悩み3. 心を強く持つためには、どんなメンタル対策を実践すればいい?
→色々と試して自分なりのやり方を確立
「メンタル対処法は投資スタイルや性格によるので、『こうすれば心の平静を保てる』と一概に言うことはできません。まずは経験しないと、自分なりのやり方を確立することは不可能だと思います。一度うまくいかなかったからといってそれで終わりではなく、次回以降にその失敗を生かすことができれば問題ないと思います」(回答者/えんおさん=ハンドルネーム)
悩み4. またコロナショックのような暴落が来たらと思うと怖いです
→下落時の行動を明確に決めておくと気持ちが楽に
「先のことは読めないので、明確な行動指針を決めておけばいいと思います。例えば『下がったら下値で買う』と決めたのであれば、より具体的な金額を設定する。日経平均株価が1万8000円台のうちは銘柄の入れ替えでしのぐ、1万6000円以下になれば預貯金で株を買う、1万4000円以下になれば優待券もお金に換えて株を買う……などといった具合です。備えあれば憂いなしです」(回答者/かんちさん=ハンドルネーム)
悩み5. どうすれば暴落時も心の平静が保てるでしょうか
→まずは投資スタイルの確立を
「自分の投資スタイルにいつでも忠実であることが重要だと思います。非常時だからといっていつもと違った慣れないことをやると、失敗した場合に後悔が残ります」(回答者/ろくすけさん=ハンドルネーム)
「株価は気まぐれな動きをするものなので、株価を追って心が不安になることがあるのは仕方のないこと。バリュー、グロース、テクニカルなど、自分の投資スタイルをまず決め、そのスタイルに合った売買ルールを設定するといいと思います。そうすることで、理性的な判断ができるようになります」(回答者/すぽさん=ハンドルネーム)
悩み6. 今にも心が折れそうで投資をやめたいです
→そういう時こそ最大の買い場かも
本当に心が折れそうなその日こそ、最大の買い場ということが多いです。経験則でそれが分かっていると、心は半ば折れていても買い注文を出せます。常に心の平静を保つのは難しいと思うので、せめてパニックにはならないよう、メンタル対処法を色々試してみるといいと思います。メンタル面については暴落相場の経験回数がものをいうので、コロナショックで早いうちに歴史的暴落に遭遇した初心者は経験という財産を得たはずです。(回答者/v-com2さん=ハンドルネーム)
悩み7. 冷静な投資判断をするには、どのような心構えでいればいいでしょうか
→売買ルールを設けて、どんな時も守り続ける
普段からきちんとルールを設けておいてその通りの売買をするということに尽きます。そしていざ暴落が来た時には、売買ルールから外れたことを行っていないかを確認することで、冷静な判断ができるようになります。(回答者/羽根英樹さん)
日本経済新聞